分子設計事始(Web公開版)

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静電相互作用:下敷きでセーターをこすると静電気が発生し、下敷きを髪の毛に近づけると髪の毛がふわっと吸い付く。これは下敷きがマイナスに帯電し、髪の毛の表面のプラス電荷によって両者に引力が働いて吸い寄せられた結果。同じように、ターゲットと薬物分子の間にプラスとマイナスの電荷があれば、互いに引き寄せあう。

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静電相互作用:下敷きでセーターをこすると静電気が発生し、下敷きを髪の毛に近づけると髪の毛がふわっと吸い付く。これは下敷きがマイナスに帯電し、髪の毛の表面のプラス電荷によって両者に引力が働いて吸い寄せられた結果。同じように、ターゲットと薬物分子の間にプラスとマイナスの電荷があれば、互いに引き寄せあう。

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極端な例で言うと・・・ナトリウムイオンと塩化物イオンからなる食塩の水溶液を頭からかぶっても、いきなり高ナトリウム血症になって病院送りにはならないように、イオン性の化合物は容易に透過して吸収されない。

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最近タミフル耐性のインフルエンザウィルスが出現し、徐々に広まってきている。リレンザはこの耐性ウィルスにも有効だが、吸入剤のため服用は経口ほどお手軽ではない(かなり工夫がされているが)。第一三共はリレンザの構造を基に長時間作用化し、吸入剤ではあるが1回投与で十分効く(予防的処置も可能)という特徴があり、臨床試験が進んでいる。

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分子設計事始 新薬創出を疑似体験 Wataru Sasaki (pc-chem.info)

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分子モデリングと分子設計 分子モデリング 目には見えない分子を 目に見える形に3D化すること 分子設計 望む機能を持つ 分子をデザインすること ウィルスの 増殖を止める薬 植物の代わりに 光合成をする分子 微生物が分解 できる合成繊維 世界一小さい 自動車 全ての土台=2Dの構造式(化学の基礎知識)

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分子モデリングには2種類 手に取ることが出来るモデル 100年以上前から今現在まで生き続ける手法 自らの手でプラモデルを組むように分子を組む 触覚で直接分子の形や相対的な大きさを実感できる コンピューター上で作成するモデル コンピューターの性能向上に伴って急速に発展した手法 物理学的基礎に基づいて分子の構造を計算する 分子の形以外の特徴も多岐にわたって調べられる 高松さんからご紹介 千田さんからご紹介

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分子設計の一般的なサイクル 全ては、思うがままに! 分子サイズの車って 作れないかなー ①新しい分子を妄想する ②デザインする ③実際に合成する ④形や機能が思った通りか確認する 実はこれが すごく大変… 骨格はこんな もんかな? 走った! or 走らない!? ナノカーの画像:http://www.ridelust.com/the-worlds-smallest-car-the-nanocar/ ここでモデリング をフル活用!!

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分子設計の身近な成果:医薬品 医薬品研究の大まかな流れ(の一例) 候補化合物の デザイン・合成 酵素・細胞での 薬理試験 実験動物での 薬理・動態試験 実験動物での 安全性試験 臨床へ 結果をフィードバック 非常に ○○○aseって 酵素がないマウスではLDLが低下するらしい それなら、○○○aseを 阻害したらLDLが下がる? ○○○aseを阻害する 天然物があるよ! 構造がひどくて飲ませても効かないけど じゃぁその構造を改良 したら薬になるかも! ○○○aseの結晶構造を 取得できたよ! 活性中心にぴったり嵌る 化合物が薬になるかも! ○○○ase阻害薬 デザイン開始

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ドラッグデザインの基本(1) 最も大事なことは、ターゲットに対して選択的に強く結合すること! よく鍵と鍵穴に例えられるように、ぴったりフィットするような形にする ターゲットの構造 何かが 足りない 形が 合わない ぴったり!

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ドラッグデザインの基本(2) 最も大事なことは、ターゲットに対して選択的に強く結合すること! 物理的な相互作用を駆使して「吸い付く」ように ターゲットの構造 +電荷の分布 さらにぴったり! + - - + - - - + + + - - + - - + + + - - (-)が 足りない 反発する 組合せ

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ドラッグデザインの基本(3) 薬物分子が駆使する様々な相互作用 イオン結合 + - プラスとマイナスの電荷 が互いに引き合う かなり強い相互作用 使う機会はそう多くない? ブチルアミン 酢酸 エタノール アセトアミド δ+ δ- ちょっとマイナスなところと ちょっとプラスなところ(水素) が引き合う相互作用 イオン結合より弱いが 最も大事な相互作用 水素結合 ベンゼン プロパン 疎水性相互作用 水になじまないもの同士が 寄り添ってできる相互作用 水素結合より弱い (けど同じくらい大事) 主にこれらの相互作用を駆使して、ジャストフィットする分子をデザインする

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ドラッグデザインの基本(4) もう一つの大事なこと:「ターゲットまで薬が届く」こと 体内に吸収されるための「薬らしい」特徴に気を配ってデザインする “Molecular from Hell” (by Dr. Beryl Dominy) 適度な大きさ (大きすぎない) 適度な極性 (やたら+や-の電荷を持たない) 反応性が高い部分を持たない(毒性回避にも関係) 毒性を引き起こす可能性が高い構造を持たない 【吸収性を確保するために】 【安定性を確保するために】 【毒性を回避するために】 薬から最も遠い化合物として デザインされた「地獄からの分子」 ツッコミどころが多すぎて・・・・・・

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抗インフルエンザ薬のデザイン(1) インフルエンザウィルスの増殖に必須な酵素を止めろ! 必須酵素の一つ:ノイラミニダーゼ ノイラミニダーゼをブロックすると、 インフルエンザウィルスが宿主細胞から 出て行けない=増殖がStop! イラスト:http://app2.infoc.nedo.go.jp/kaisetsu/bio/bio05/index.html N-アセチルノイラミン酸 (Neu5Ac) ノイラミニダーゼは ここを切断 2,3-デヒドロ-N-アセチル ノイラミン酸 (Neu5Ac2en) この構造をヒントに阻害剤をデザイン ※シアル酸=修飾ノイラミン酸の総称

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抗インフルエンザ薬のデザイン(2) Neu5Ac2en IC50 = 8600 nM 水素結合 イオン結合 この辺にイオン結合を加えたら もっと強く阻害できるのでは? Neu5Ac2enとノイラミニダーゼの共結晶構造 + + + - - + + - - この辺に(+)が欲しい

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抗インフルエンザ薬のデザイン(3) Zanamivir IC50 = 5 nM 水素結合 イオン結合 確かにイオン結合が 形成されている! Zanamivirとノイラミニダーゼの共結晶構造 1000倍以上活性向上! Zanamivirは世界で最初の論理的に 開発された抗インフルエンザ薬 (現グラクソ・スミスクライン社による) 商品名「リレンザ」として販売中 + + + - - + + - + -

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抗インフルエンザ薬のデザイン(4) Zanamivir IC50 = 5 nM リレンザ(Zanimivir)は確かによく効くが・・・ 経口吸収性が非常に悪いため、吸入剤としてしか使えなかった カルボン酸とグアニジンが共存する 構造は吸収性を著しく下げる (細胞膜を透過しにくい) 極性のヒドロキシル基が あるが、強い相互作用は ない

Summary: サイエンスアゴラ2009『模型とモデルで知る未来を拓く分子の世界』s2k担当分

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