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マルコによる福音書(上) 大阪中央キリストの教会デボーショナル
イントロダクション
著者 ヨハネ・マルコ バルナバのいとこ パウロ第1回伝道旅行の最初で脱落(使徒13:13) 第2回伝道旅行でパウロと別れ、バルナバと共にキプロスに赴く(使徒15:39) 後にローマでパウロ、ペテロに頼りにされている(コロサイ4:10、Iペテロ5:13) ペテロはネロ帝時代の65AD~68ADにローマで殉教 マルコは70AD頃に主にペテロの証言の記憶を元にイエスの公生涯の記録、福音書を執筆 迫るローマの迫害と使徒達の殉教下、教会を励まし、イエスの記憶が失われないために記述
ペテロの証言による福音書 コルネリウスの家でのペテロの説教とイエスの活動の構成が同じ(使徒10:34-43) 37: ヨハネによる洗礼の宣教 37: ガリラヤからユダヤ全土へ 38: イエスは聖霊と力によるメシア 38: 方々を巡って人々を癒した 40-41:十字架の死と復活 42-43:信じる者にはイエスの名によって罪の許しが与えられる
パピアス 60AD-130AD アジア ヒアラポリス教会Bishop 使徒ヨハネの弟子、ポリカルポスの友人 「使徒ヨヘネは言っていた。『マルコはペテロの通訳だったが、注意深く、しかし起こった順序は気にせずに主の言葉と行いで覚えている全てを記した。マルコはイエスの言葉を直接聞いたことはなく、弟子でもなかったが後にペテロの弟子となった。ペテロはイエスの言葉を組織的に構成することなく折にふれ自分の説教に組み込んだ。マルコは聞いたことを誤りなく残らず書き記そうとした。』」
マルコ福音書当時のローマ ローマは堅実で実務的な農業国家から世界帝国へ変貌 東方の諸宗教、考え方が流入し混乱 政治の腐敗 ネロ帝による悪政 ネロ帝後、ローマは一時内乱に陥る 価値観の腐敗 黙示録に大淫婦(黙示録17:1-6)として描かれるローマの文化的側面 ⇒イエスは「暗黒の中の光」(ルカ2:31-32)であった
本シリーズの趣旨 マルコによる福音書を福音書という、一種の「文学作品」ととらえる 福音書の構成(即ちマルコによるイエスに関する伝承の編集痕)に特に注視して本文の意味を明らかにする 日本語文章の構成 起ー承ー転ー結 序ー破ー急 ヘブライ文学の構成(福音書原本はギリシャ語文章だが著者はヘブライ人) AーBーCーD(中心命題)-C’ーB’ーA’ ノアの物語構成と同種
編集にスタイルと強調点がある A)6:9-10 ノアとその息子セム、ハム、ヤテペ B) 12-18 洪水の約束と契約の確立 C) 19-22 生命と食物の維持 D) 7:1-3 箱舟に入る命令 E) 4-10 7日間洪水を待つ F) 11-17 40日間の増水と箱舟が浮かぶこと G) 18-24 150日間水が満ちる 8:1 神はノアを覚えておられた g) 2-5 150日間水が引く f)4-6 40日間水の減少と箱舟が降り立つこと e)7-14 7日間地上が乾くのを待った d)15-22 箱舟を離れる命令 c)9:1-7 生命と食物が地に満ちること b)8-17 二度と洪水を起こさず契約を覚えていること a)18-19 ノアとその息子セム、ハム、ヤテペ ノアの物語 中心命題 中心命題 と挟み込み
マルコ福音書全体の構成 序章1:1-1:13 (1:1 神の子イエス・キリストの福音の初め) 神の国の接近ーイエスの到来1:14-3:6 神の国の神秘ーイエスとその身内3:7-6:6 神の国の拡大ーイエスは全人類のパン6:7-8:30 中心命題ー人の心の中の神の国8:27-9:13 (8:29「あなたはメシアです」) イエスの道ー神の国に入る8:31-10:31 エルサレム裁判ーダビデの王国10:32-13:37 人の子と神の子の啓示14:1-15:47 (15:39「本当にこの人は神の子だった」) 結び16 中心命題と 挟み込み
序章
序章から本文への繋がり 告げることの連鎖 旧約聖書(出エジプト23:20、イザヤ書40:3、マラキ書3:1、23-24)はある声が叫ぶ、と告げるーそれは洗礼者ヨハネ 洗礼者ヨハネは後から来るものについて告げるーそれはナザレのイエスであり、天の声は「愛する息子」と呼ぶ イエスは神の統治を告げる、それは近づいている、そして時は満ちている
序章の構成 荒野で主の道を準備する(1:2-3) 洗礼者ヨハネ来たるー悔い改めの洗礼(1:4-6) 水の洗礼(強い)と霊の洗礼(さらに強い)(1:7-8) ナザレのイエスがやってくるー天からの声(1:9-11) 荒野で悪魔による試みに遭う(1:12-13)
愛する子 すると「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が天から聞こえた イエスは神が選び喜ぶ僕(イザヤ42:1) イエスは神が「お前はわたしの息子」(詩篇2:7)と宣言するメシア イエスは神に愛されている新しいイサク(創世記22:1-2,12,16)
荒野の40日間 旧約の3つの出来事を想起させる 不忠実な民が40年間シナイ半島の荒野を彷徨った(申命記8:2) モーセが律法を授かるため、40日間シナイ山に留まった(出エジプト24:18) エリヤが神に出会うため、シナイ山へ40日間荒野を歩き続けた(列王記上19:8) イエスが40日間荒野で試練に遭ったことは不忠実な民のため、仲介者として遣わされたことを暗示
天から降る聖霊 第1の地下 第2の地上 第3の天 イエス 聖霊 (非常に愛されている息子)
序章の整理
ディスカッション 何故イエスは1世紀にこれほど注目されたのか イエスが現代に訴えかけ得ると思う点は何か 人々はイエスを最初どのように受け止めたか
神の国の接近 イエスの到来 1:14-3:6
イエスの到来 1:14-3:6 ① イエスについてのまとめ:冒頭の宣言(1:14-15) 弟子たちについてのまとめ:4人の召命(1:16-20) (1)ガリラヤでの一日と翌日=悪に対する権威:御業 第1部 カファルナウムで、安息日に A イエスは会堂で教え、汚れた霊を追い出す(1:21-27) B ガリラヤ全土に広まる(1:28) C シモンの家でイエスはシモンの姑を癒す(1:29-31) D (分岐点)夕方、とぐちに(安息日の終わり) 町中の人が集まる/沈黙させる(1:32-34) 第2部 ガリラヤで、安息日の翌日 C’ イエスは人里離れた所に祈りに行く/シモン(1:35-38) B’ ガリラヤ全土で宣言(1:39) A’ イエスはライ病人を癒し、人のいないところに退く(1:40-45) イエスの一日に見るイエスの新しさとは? (挟み込み①) 驚きと疑問
イエスの到来 1:14-3:6 ② (2)ガリラヤでの論争=権威が反論される:御言葉 第1部 家で(律法学者)イエスは罪と相対する A 中風の人の赦しと癒し/敵対者の沈黙(2:1-12) B 人の子についての宣言(2:10-12) C レビ(マタイ)の召し出しと罪びとの受入/弟子たち(2:13-17) D (分岐点)断食の問題(=洗礼者ヨハネの逮捕) イエスは花婿と新しいことについて語る(2:18-22) 第2部 ある安息日に(ファリサイ人)イエスは掟と対峙する C’ 積まれた麦の穂と安息日の規則/弟子たち(2:23-26) B’ 人の子についての宣言(2:27-28) A’ 手の萎えた人の癒し/敵対者の沈黙(3:1-6) 反論の根底にあるものは? (挟み込み②) 頑なな拒絶
2つのまとめ イエスについてのまとめ 神の国は近づいた 神の国=神が王であるところ 神の統治がイエスに伴ってくる イエスの到来によって神の統治が実現される 弟子についてのまとめ エリシャ(列王記I19:19-21)、アモス(アモス7:15)の召しを想起 弟子としてイエスに従うことが全て
イエスの到来 1:14-3:6 ① イエスについてのまとめ(1:14-15) 弟子たちについてのまとめ(1:16-20) (1)ガリラヤでの一日と翌日=悪に対する権威:御業 第1部 カファルナウムで、安息日に A イエスは会堂で教え、汚れた霊を追い出す(1:21-27) B ガリラヤ全土に広まる(1:28) C シモンの家でイエスはシモンの姑を癒す(1:29-31) D (分岐点)夕方、とぐちに(安息日の終わり) 町中の人が集まる/沈黙させる(1:32-34) 第2部 ガリラヤで、安息日の翌日 C’ イエスは人里離れた所に祈りに行く/シモン(1:35-38) B’ ガリラヤ全土で宣言(1:39) A’ イエスはライ病人を癒し、人のいないところに退く(1:40-45) イエスの一日に見るイエスの新しさとは? (挟み込み①) 驚きと疑問
ガリラヤでの一日と翌日 ユダヤ文学の一類型 一日の枠内で人物を紹介し、活動を纏めながら描写する マルコの展開の特色 一日の出来事が翌日にはガリラヤ全土に広まる ある事実に関する記述から内容を普遍化する 場所と時 場所:会堂ーシモンとアンデレの家ー戸口ー 荒野ーガラリヤ全土ー会堂ー荒野 時:安息日ー安息日の終了(夕暮れ)ー翌日(主日)-
挟み込み(並置法) A-A’ A 会堂で汚れた霊を追い出す A’ ガリラヤの荒野でらい病人の清め 「神の聖者」イエスと人間の汚れ 誰にも話さない命令(=メシアの秘密) 問いかけ:イエスはいったい誰なのか B-B’ ガリラヤ全土にイエスの評判が広まり(1:28)、イエス本人が到来して教えを告げる(1:39) C-C’ カファルナウムの家(C)、町の外(C‘)で弟子が追い、イエスに声をかける 仲立ち人としての弟子 D 中心軸
中心軸 時と場所 時:安息日の終わり(主日の始まり) 場所:戸口 旧約⇒新約への移行をもたらす、イエスの歴史的到来が位置づけられている イエスが来る⇒イエスのもとに人々が来る カファルナウムの出来事は主の復活の日より再び始り、全世界で続く 弟子の使命は主の到来を引き継ぐこと(マタイ28:18-20) 主は使徒に先立ってガリラヤに行かれる(14:28、16:7) 昨日のシモンの家の戸口は今日の教会の入り口となる(1:33と13:27を比較)
イエスの到来 1:14-3:6 ② (2)ガリラヤでの論争=権威が反論される:御言葉 第1部 家で(律法学者)イエスは罪と相対する A 中風の人の赦しと癒し/敵対者の沈黙(2:1-12) B 人の子についての宣言(2:10-12) C レビ(マタイ)の召し出しと罪びとの受入/弟子たち(2:13-17) D (分岐点)断食の問題(=洗礼者ヨハネの逮捕) イエスは花婿と新しいことについて語る(2:18-22) 第2部 ある安息日に(ファリサイ人)イエスは掟と対峙する C’ 積まれた麦の穂と安息日の規則/弟子たち(2:23-26) B’ 人の子についての宣言(2:27-28) A’ 手の萎えた人の癒し/敵対者の沈黙(3:1-6) 反論の根底にあるものは? (挟み込み②) 頑なな拒絶
ガリラヤでの論争 5つの衝突 中風の人の癒しと赦し(人の子への言及) レビの召出しと罪人との食事 断食についての問題、古いものと新しいもの 穂を摘むことと安息日の規則遵守(人の子への言及) ある安息日の癒し
イエスの主張と反対者の反応
並置法① A-A’ 癒し 中風の人の癒し「立ちなさい」2:9-11 手の萎えた人の癒し「立ちなさい」3:3 2つの相対する態度 「彼らの信仰を見て」2:5 「なぜ心の中でそのように…」2:6,8「彼らの心の頑なであることを悲しみながら」3:5 B-B’ 人の子の権威の断言 地上で罪を赦す権威 安息日の主
並置法② C-C’ 食べ物(2:16,26)と必要(2:17,25)についての問題 いずれも弟子たちが重要な役割 Cではファリサイ派はイエスについて弟子たちに詰問、C’ではイエスにで弟子たちについて詰問 中心軸 イエスの言葉(2:19-22) 古いものと新しいものが衝突している
イエスは罪と安息日に立ち向かう① 中心軸の分析 花婿X3 、新しいX4 世を救う花婿はいるか? 神の新しい統治は到来したか? イエスの到来によりメシアによる救いの時代は始まっている。イエスに告知された神の統治の到来は人々に結婚の喜びをもたらしている。 受難の暗示(2:20) 自らの立場を失うのを恐れ、ファリサイ派は花婿イエスを受け入れられなかった(一連の論争の根深い本質的な問題点)
イエスは罪と安息日に立ち向かう② A,B,C 罪と罪人の問題 ファリサイ派による反論(2:6,16) 家の中で繰り広げられる(2:1,15) 食事をする(2:15) 「いまだかつてこのようなことは見たことがない」2:12 1Cの教会で繰り広げられる論点を反映 家=教会、食事=聖餐、罪が赦されるか 神の栄光の賛美
イエスは罪と安息日に立ち向かう③ C’,B’,A’ 安息日と人の子の権威に関する議論 ファリサイ派(2:24、3:6)の敵対 人の行動の自由について 「人が安息日のためにあるのではない」2:27 手の不自由な人を癒す イエスはその人の行動を完全に自由にした 1Cの教会での安息日に関する議論を反映 安息日を守るべきか、主の日を守るべきか、どこまで守るべきか
イエスとは誰なのか? 人の子と称しつつ、罪を赦す権威を持ち、安息日の主であり、心の医師であり、シオンの花婿と主張 旧約はイエスにおいて成就し、超越された 神の名によって語る、だけの理解では他の預言者も同じで不十分 イエス自身において神の統治が到来し、神が人間の只中に臨在する
イエスは罪と安息日に立ち向かう④ ABCDC’B’A’ イエスは人を罪から救い行動を自由にするために来た イエスこそが古さに対する新しさ 神の地上の統治が現存し、花婿とともにある喜びがある(D) 旧約が成就し、教会において罪は許される(ABC) 神の子らは自由であり、新約で実現していることは旧約の成就を超える(C’B’A’)
ディスカッション 忙しい中でのイエスの力の源は何だったと思いますか 中風の人を癒す友達の態度にイエスは応えました。友達に何を自分ができると思いますか? 安息日に癒しを行うことに反対する力は自分の周りにありますか?それにどのような態度を取りますか?
神の国の神秘 イエスとその身内 3:7-6:6
肉の家族 vs 霊の家族 動詞:聞く・聞こえる 17回 ①御言葉 ②力ある行い 誰がイエスの身内となるか? 誰が聞く耳を持っているか? 誰が恐れを乗り越えイエスへの信仰に辿り着くか? 山、湖、家など、第1部より抽象的な場所の設定があり、より広範囲で活動が展開されていることを示唆している
イエスとその身内 3:7-6:6① イエスについてのまとめ:群衆への恵み(3:7-12) 弟子たちについてのまとめ:12使徒の選定(3:13-19) A イエスと身内(3:20-21) B エルサレムの律法学者たちの意見(3:22) C 強いサタンとさらに強いイエス(3:23-29) B’ 繰り返される律法学者たちの意見 (1:32-34) A’ 本当の身内(3:31-35) (挟み込み①) イエスの元に 来た身内
神の国の神秘:御言葉 たとえ話の一日 A 導入:出発時の状況(4:1-2) B 種と土地:種まく人(4:3-9) C たとえ話をする理由(弟子に)(4:10-13) D 説明:御言葉とその実り(4:14-20) C’ 聞くこととますのたとえ(弟子に)(4:21-25) B’ 神の国の実り:芽が伸びる、芥子種(4:26-32) A’ 結論:たとえ話による教え(4:33-64)
神の国の力:行動ー結論 イエスの力ある行い A 嵐を静める:湖の服従(4:35-41) B ゲラサ人:解放(5:1-17) C 解放された人の懇願(5:18-19) D デカポリスでの宣教:従う人による(5:20) C’ 会堂長の懇願(5:21-24) B’ 長血の女:救い(5:25-34) A’ ヤイロの娘:死からの復活(5:35-43) 結論として:イエスとその身内(故郷ナザレにて)(6:1-6) (挟み込み②) 身内の元に 来たイエス
イエスとその身内 3:7-6:6① イエスについてのまとめ:群衆への恵み(3:7-12) 弟子たちについてのまとめ:12使徒の選定(3:13-19) A イエスと身内(3:20-21) B エルサレムの律法学者たちの意見(3:22) C 強いサタンとさらに強いイエス(3:23-29) B’ 繰り返される律法学者たちの意見 (1:32-34) A’ 本当の身内(3:31-35) (挟み込み①) イエスの元に 来た身内
イエスと弟子のまとめ(3:7-19) イエスのまとめ(3:7-12) 押し寄せる群衆 ガリラヤ、ユダヤ、エルサレム(ユダヤ人) イドマヤ、ヨルダン川の向こう、ティルス、シドン(異邦人) 病気の癒しと「メシアの秘密」 小舟を用意(自分の活動を制限) 弟子のまとめ 12使徒選定:自分のそばにおく、派遣して宣教、悪霊を追い出す権能をもたせる 12使徒:12部族 新しいイスラエルの基礎
序説:イエスと身内 肉の身内 イエスに固定観念を持つ イエスが狂ったと思い込んでいる 近くまで来たが外にいる 人をやってイエスを呼ぶが現れない 霊の身内 イエスに固定観念がない イエスの言葉を聞くために集まる イエスの眼差しのもとで周りに集まる 神の御心をイエスから学ぶ
強いイエス 反対者の厳しい非難:ベルゼブル論争 中心命題としてのイエスの応答 サタンは強い サタンは神の国を略奪しようとするがイエスはサタンよりさらに強い 改心を拒絶することへの警告:聖霊を冒涜する罪は許されない (冒頭の序説の中心命題) 洗礼者ヨハネは強い イエスはさらに強い(1:7) イエスの靴の紐を解く値打もない 水の洗礼と霊の洗礼
神の国の神秘:御言葉 たとえ話の一日 A 導入:出発時の状況(4:1-2) B 種と土地:種まく人(4:3-9) C たとえ話をする理由(弟子に)(4:10-13) D 説明:御言葉とその実り(4:14-20) C’ 聞くこととますのたとえ(弟子に)(4:21-25) B’ 神の国の実り:芽が伸びる、芥子種(4:26-32) A’ 結論:たとえ話による教え(4:33-34) 小舟 小舟(4:36)
AA’:外にいるものと内にいるもの 小舟による挟み込み 内と外を対比させる舞台装置 外に留まっていると譬えは理解できず、御言葉は育たない 内に入り、イエスに質問していく人にはイエスの説明が与えられる。彼らは聞く耳を持っている
BB’:種の譬ばなし よい地に落ちた種の驚異的な成長力 30倍、60倍、100倍 生えてくる種 芥子種 イザヤ55:11 わたしの言葉はむなしくわたしに戻らない ヨエル4:13 鎌を入れよ刈入れの時は熟した エゼキエル17:23 枝を茂らせた木に鳥が来て住む 御言葉の力に信頼するイエス
CC’:聞く態度(論点の転換) 外に留まる人は御言葉が心に入らず、実ることもない イエスの群衆に語る宣教は失敗したことを示している これは初代教会の中で語られ、教会で説教を聞く聴衆にも同じことが示されていった 教会はイエスを取り囲み質問していく内に入るものから驚異的に成長していく 聞く耳を持つ者にはさらに与えられる
神の国の力:行動ー結論 イエスの力ある行い A 嵐を静める:湖の服従(4:35-41) B ゲラサ人:解放(5:1-17) C 解放された人の懇願(5:18-19) D デカポリスでの宣教:従う人による(5:20) C’ 会堂長の懇願(5:21-24) B’ 長血の女:救い(5:25-34) A’ ヤイロの娘:死からの復活(5:35-43) 結論として:イエスとその身内(故郷ナザレにて)(6:1-6) (挟み込み②) 身内の元に 来たイエス
恐れと信仰 信仰 5:34 4:40 不信仰 6:6 信じる 5:36 恐れ 4:41 5:15 5:33 5:36 怖がる 4:40 震えながら 5:33 驚きのあまり 5:42 驚いて 6:2
死に勝つイエスの力 死、人生の苦難 嵐に小舟が飲み込まれそうになる 海、湖は古代世界で太古の混沌を表し、悪霊の住処とされた(Ps77、89:10-11、104:25-26、107:23-32) 汚れた霊が狂わせている 長血の女:不治の病 ヤイロの娘の死 ナザレでの冷遇 イエスの力 小舟で眠っていて嵐を静めるイエス いったいこの方はどなたなのか、嵐や海さえも従うとは(4:41)
ゲラサ人の地 ローマ植民地であり異教の地 豚はそれを好むローマ人のために飼われていた レギオン:軍団を意味し、1Cの人に明確にローマ軍を連想させた ユダヤ人にとってはローマ軍こそが最大の恐れだったかもしれない 墓場:ローマ軍に殺された数多くのユダヤ人を暗示、当時は対ローマ・テロが多発 悪霊に取りつかれた人:ローマに占領されたユダヤ人社会の人々の心を象徴 イエスは戦争によらず、悪霊からその人を解放した 悪霊から解放した人による宣教(中心論点)
ナザレで 不信仰な故郷の人たち 聴衆の驚き 疑問の数々 どこからこんなことを知ったのか、この知恵は何か イエスは彼らの転落のきっかけになる エルサレムでの十字架への道を暗示 しかし信じる者、恐れを乗り越えてイエスに従う者はイエスの霊の家族となる
ディスカッション キリストにある交わり(霊の家族)と肉親の間であなたはどこに立っていると思いますか どちらかと言うと肉親とともにある どちらかと言うと霊の家族とともにある どちらでもない キリストが霊の家族を肉親より大切に思ったのは何故でしょう?
神の国の拡大 イエスは全ての人のパン 6:6-8:30
イエスとは誰か? 6:14-6:29 イエスについてのまとめ:村々をめぐり歩く(6:6-13) 弟子たちについてのまとめ:12使徒の宣教(6:6-13) イエスとは誰か? 人々の考えとヘロデ王の考え(6:14-16) ヘロデ王の宴会と洗礼者ヨハネの殉教 A 洗礼者ヨハネの逮捕、投獄ー姦通の非難(6:17-19) B 当惑するヘロデ。ヘロディアの娘登場(6:20-22) C (強い)王の言葉と誓い(6:22-23) B’ 心を痛めるヘロデ。ヘロディアの娘と母 (6:24-26) A’ 洗礼者ヨハネの斬首ー埋葬(6:27-29) (挟み込み①)
第1~第2の過程 第1の過程(6章)与えられたパンとかたくなな心 A パンを裂く一つ目の物語、ユダヤ人の中で(6:30-44) B 弟子のみがイエスと共に。舟の上で/かたくなになる心(6:45-52) C ゲネサレト湖畔での癒し(連れてくる、懇願する、触れる)(6:53-56) 第2の過程(7章)御言葉とかたくなな心の衝突 D パンについての議論ー清さ/汚れの言い伝え(7:1-15) E 弟子のみがイエスと共にー家で/悪い心(7:17-23) F ティルスとデカポリス地方での癒し(連れてくる、懇願する、触れる)(7:24-37)
第3の過程~イエスとは誰か? 第3の過程(8章)与えられたパンと覚えていないこと A’ パンを裂く2つ目の物語、異教徒の中で(8:1-12) B’ 弟子のみがイエスと共に。舟の上で/かたくなになる心(8:13-21) C’ ベトサイダでの段階的治療(連れてくる、懇願する、触れる)(8:22-26) イエスとは誰か? ペテロの信仰(8:27-30) イエスにメシアを認めたもの (挟み込み②)
イエスとは誰なのか? 自分の民を新たなマナで養う者 自分の弟子を傍らに呼んで教える者 群衆を憐れんで会いに行く者 数々の癒しをする者 イエスの使命は何なのか?イエスは救い主ではないのか?
イエスとは誰か? 6:14-6:29 イエスについてのまとめ:村々をめぐり歩く(6:6-13) 弟子たちについてのまとめ:12使徒の宣教(6:6-13) イエスとは誰か? 人々の考えとヘロデ王の考え(6:14-16) ヘロデ王の宴会と洗礼者ヨハネの殉教 A 洗礼者ヨハネの逮捕、投獄ー姦通の非難(6:17-19) B 当惑するヘロデ。ヘロディアの娘登場(6:20-22) C 強い王の言葉と誓い(6:22-23) B’ 心を痛めるヘロデ。ヘロディアの娘と母 (6:24-26) A’ 洗礼者ヨハネの斬首ー埋葬(6:27-29)
弟子についてのまとめ 告知された通りに派遣(3:14、6:7) 村 6:6、36、56、8:23,26、27 地名 ベトサイダ、ゲンサレト、ティルス・シドン、ダルマヌタ、ピリポ・カイザリヤ 使徒(遣わされたもの)の呼称(原書では初 6:30)
ヘロデ王とイエス ユダヤの王、ヘロデのもてなす食事ーヨハネの殉教をもたらす死の食事 ユダヤの真の王、イエスのもたらす食事(パンの奇跡)-命の食事 ヨハネ=強いもの 王の姦淫の罪を咎め(A)、殉教に至るまで忠実(A‘) ヘロデ=弱いもの ためらい(B)、こころを痛める(B’) ヨハネの死はイエスの死を先取りし、受難でも先駆者となる しかし彼の死は閉ざされた墓で終わり、イエスの死は開かれた墓で終わる(16:4) ヘロデはヨハネが復活したと思い込むがそうではない…(6:16)
第1~第2の過程 第1の過程(6章)与えられたパンとかたくなな心 A パンを裂く一つ目の物語、ユダヤ人の中で(6:30-44) B 弟子のみがイエスと共に。舟の上で/かたくなになる心(6:45-52) C ゲネサレト湖畔での癒し(連れてくる、懇願する、触れる)(6:53-56) 第2の過程(7章)御言葉とかたくなな心の衝突 D パンについての議論ー清さ/汚れの言い伝え(7:1-15) E 弟子のみがイエスと共にー家で/悪い心(7:17-23) F ティルスとデカポリス地方での癒し(連れてくる、懇願する、触れる)(7:24-37)
第1の過程 イスラエルで行われた奇跡 群衆が牧者のいない羊の群れのようである(6:34、列王記22:17、エゼ34) 100人、50人の纏まりにする(6:40、出エ18:21,25) 青草の上に場所を取る(6:39、詩篇23) 祝福の祈り(ユダヤの祈り)(6:41) パン屑は使徒の数と同じ12の大籠に一杯になる 5000人は100人、50人の纏まりに対応 弟子たちはイエスの奇跡の意味を掴めない 湖の上を歩いて近づくイエスと弟子のやり取りは旧約の神の顕現に対応 恐れ、驚き、勇気を持つよう言われる、「わたしだ」、通り過ぎようとするー神の栄光の通過(モーセ、エリヤ)
第2の過程 食事で手を洗わないことで「律法を守っていない」との非難にイザヤ書から心へのフォーカスを教える 心からでる悪が問題であることと全ての食物が清いこと(7:19、21) ツロ・フェニキアの女性の懇願を聞き入れるイエス 国境を超える 社会的制約(異邦の女性に話かけない)を超える 使命の壁を超える デカポリスで耳が聞こえず舌の回らない(律法を持たない異邦人の象徴)人を癒す 異邦人の地 墓場にいた悪霊に取りつかれた男を癒したところ 7:37 この地方への宣教の道は開かれた
第3の過程~イエスとは誰か? 第3の過程(8章)与えられたパンと覚えていないこと A’ パンを裂く2つ目の物語、異教徒の中で(8:1-12) B’ 弟子のみがイエスと共に。舟の上で/かたくなになる心(8:13-21) C’ ベトサイダでの段階的治療(連れてくる、懇願する、触れる)(8:22-26) イエスとは誰か? ペテロの信仰(8:27-30) イエスにメシアを認めたもの (挟み込み②)
第3の過程 異邦人のためのパンの奇跡 群衆は遠くから来ていて帰ると途中で疲れ切ってしまう(8:3) 地面に座る(青草の上ではない) 感謝を捧げ(「感謝の祭儀」)パンを裂く 7つのパンと7つの籠は7つの国を連想 12=選ばれた民 7=異邦人(創世記1-11の系図) 4000人=4X1000 世界の4方から大勢の人が来る 3日イエスと一緒にいる(8:1)復活と復活後の時代
段階的な癒しとペテロの信仰 ベトサイダに到着、盲人が連れてこられる ピリポ・カイザリヤへ行く 両目につばをかけ、手をおいて「何か見えるか」 「人々はわたしのことを誰だと言っているか」 「人がいるのがわかります、木のようです」 「洗礼者ヨハネ、エリヤ、預言者、」 もう一度両手を置いてはっきりと見えるようになる 「あなた方は誰だというか」「あなたはキリストです」 「村に入ってはいけない」 ご自分のことを誰にも話さないように厳しく命じる
イエスとは誰なのか? 3つの集団 対句 理解する/理解しない 6:52、7:14、18、8:17、21 わかる/わからない 7:18、8:17 思い出す/忘れる 8:14、18 五感による人間の認識 耳を開き聞く、聞こえるようになる 7:14、32、8:18 目を開く、見えるようになる 8:15、18、22 舌をほどく、信仰の言葉を持つ 7:6、29、32、8:29 心の問題 6:52、7:6、19、21、8:17
中心論点 問題の本質は、外面の汚れでなく、民族の違いではなく、心にある 第2の過程の中心:7:12-23が中心論点 心の悪を取り去り、「イエスは誰なのか?」との問いかけに対する回答に近づいていく 「エファタ」とイエスは繰り返し語りかける イエスがメシアであることを認識する 進みの遅い弟子の信仰の歩みを通して イエスの認識はパンを裂くことの体験を経る 数々の癒しの体験を経る この認識がかたくなになった人の心を開く そして救いは世界に開かれる イエスの宣教で、マルコの教会で、現代において
ディスカッション 最近、心の悔い改めで見えるようになったことがありましたか イエスに対して弟子、群衆、敵対者の3つのグループを想定したとき、あなたはどこに位置しますか? よりイエスに近づくのに何を変わりたいですか? イエス
中心軸 人の心の中の神の国 8:27-9:13
5つのセクション ペテロはイエスをメシアと認める(8: 27-30) イエスは自分の受難と復活を告知(8:31-33) どのようにイエスについていくか(8:34-9:1) イエスの変容(9:2-10) エリアについての対話(9:11-13)
A イエスとは誰か?(8:27-28) [人物の間違い/イエスの使命] B あなたこそキリストです(8:29-30) [沈黙を守るようにとの指示] C 苦しむ人の子の啓示(8:31-33) [ペテロの関わりーお前は神ことを考えていない] D 契約(8:34-9:1) [人生の意味、弟子たちと群衆] C’栄光のうちに分ち与えられた啓示(9:2-6) [ペテロの関わりー彼は何を言っているのか分らなかった] B’これこそわたしの最愛の子(9:7-10) [沈黙を守るようにとの指示] A’エリアとは誰か?(9:11-13) [人物の位置づけ/洗礼者ヨハネとイエスの使命] 構成
3つのエピソード イエスと彼の弟子たち ピリポ・カイザリヤへの途上で イエスと群衆 どのようにイエスについて行くか(8:34-9:1)ー中心軸中の中心論点 イエスと3人の弟子たち 変容の山で
構成の流れ(中心論点の除く) 途上で、イエスは自分について弟子たちに質問 弟子たちの返答と人々の様々な意見 弟子たちに質問「あなたがたは誰だと言うか」 ペテロの信仰告白「あなたはキリストです」 誰にも話してはいけない、人の子の受難の教え ペテロの反応、イエスを脇へ連れて諌める イエスはペテロを叱る「下れ、サタン!」 山上にイエスは3人の弟子を連れてゆく。イエスの変容 ペテロの反応「ここに3つの幕屋を建てましょう」 雲が現れ、そこから声がする(神顕) もはや誰も見えずただイエスだけが彼らと共におられた 誰にも話してはいけない、死者から復活するまで 何のことか?3人の弟子はエリヤについて質問 イエスの宣言:ヨハネの受難を自分と自分の受難から位置づけ 同時代人の意見 弟子たちとペテロの意見 イエスの教え 山上での変容 雲からの父の声 イエスによる聖書の読みなおし
イエスが誰かについての進展 イエスは洗礼者ヨハネ、またはエリヤ、または預言者の一人 イスラエルの歴史の頂点に立つメシア イエス自身が受難について語る イエスを囲むモーセとエリヤ 父と最愛の子の間の親密さ 全てが位置づけられる エリヤ=ヨハネ メシア=イエス 受難と 復活後の 姿を暗示
A わたしについてきたい者は自分を捨て、自分の十字架を背負い、わたしに従ってきなさい B 自分の命を救おうとする者はその命を失い、自分の命をわたしのため、そして福音のために失う者はそれを救う C 人は全世界を手に入れても何の得があるだろう C’人は自分の命にどのような代価を支払えるだろう B’わたしとわたしの言葉を恥じる者は人の子もその者を恥じる A’まことにここにある者たちは神の統治をみるまでは死なない 中心論点(8:34-9:1)
A イエスとは誰か?(8:27-28) [人物の間違い/イエスの使命] B あなたこそキリストです(8:29-30) [沈黙を守るようにとの指示] C 苦しむ人の子の啓示(8:31-33) [ペテロの関わりーお前は神ことを考えていない] D 契約(8:34-9:1) [人生の意味、弟子たちと群衆] C’栄光のうちに分ち与えられた啓示(9:2-6) [ペテロの関わりー彼は何を言っているのか分らなかった] B’これこそわたしの最愛の子(9:7-10) [沈黙を守るようにとの指示] A’エリアとは誰か?(9:11-13) [人物の位置づけ/洗礼者ヨハネとイエスの使命] 構成 イエスを過去、旧約聖書に関連付ける イエスを現在に位置づける イエスの未来の使命についてペテロの態度とともに位置づけ
中心論点の対象 群衆に向けられている マルコの教会に向けて、イエスの受難の時を超えて語られている 教会のクリスチャン、さらに教会で福音を聞く者が対象 聞くものはマルコによるペテロの証言を聞く ペテロは新たに福音に聞き従うものの象徴 聞くものは復活したイエスの光の下で再読
ディスカッション 語る者の権威とイエスについての説明に見られる進展はどうなっているか 受難告知、弟子の運命、人の子の来臨、イエスの変容の間にどのようなつながりがあるか
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